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【 バード・サンクチュアリの思想: 2.“ミニ・サンクチュアリ”をつくろう(1/6)】

 昭和九年(1934年)に中西悟堂が創立した日本野鳥の会では、すでに1981年のサンクチュアリ(注3)の設立以来、全国に、会自ら運営するサンクチュアリを2ヶ所、地方自治体からの受託により運営するサンクチュアリを10ヶ所手がけている。各地にあるサンクチュアリの活動は、

  • 地域の自然環境や野生生物全体を視野に入れた自然保護活動

  • 訪れた人に自然とふれあう様々なプログラムを提供する普及教育活動、

  • 野生生物の生息地として適切な状況にあるかをモニタリングしたり、サンクチュアリ利用のニーズやサンクチュアリ内のネイチャーセンターの利用状況などの社会調査といった調査・研究活動、

  • 野鳥の生息環境悪化に対する環境管理活動、地域市民のための講座開設やボランティア育成などの人材育成活動

であるとされている(日本野鳥の会のサイト参照)。

 日本野鳥の会では、サンクチュアリを「一般に、野鳥などの動植物の保護区」、また「野生生物の生息環境を確保・保全するなかで、専従のレンジャーによって、人と自然とのふれあいが推進される場所」を指すと述べている。語義は、「本来は、教会、聖域、避難場所という意味」であり、特に「そこから転じて、自然保護の先進国である欧米では、鳥たちにとっての避難場所、禁猟区の意味が生じ、鳥獣のための犯すべからざる場所を指すように」なったという。また、イギリスではリザーブ(Reserve=確保された場所)とも呼ばれるという。「バード・サンクチュアリ=野鳥の聖域」に関しては、「自然や鳥獣など野生の生きものを保護する運動を代表することば」であると言及する。(サンクチュアリは、保護運動を「代表する」ことばなのである!) そして、中西悟堂と同様、「自然が破壊と荒廃にさらされている現状」に言及した上で、サンクチュアリは「その砦」となると謳っている。さらに、欧米では数百年の歴史を生き、大小さまざまなサンクチュアリが創立されてきたが、日本ではこの言葉自体の歴史も浅くまだ理解されにくいと述べている。

注3 用語使いとして、中西は「サンクチュアリー」、『日本野鳥の会』は現在「サンクチュアリ」と呼んでいる。

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