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【バード・サンクチュアリの思想: 2.“ミニ・サンクチュアリ”をつくろう (3/6)】

 私設サンクチュアリ、"ミニサンクチュアリ"とは、具体的にどんなものだろうか。ここでもまず、イギリスとアメリカの例が紹介されている。

欧米のミニサンクチュアリ  自然保護の先進国である欧米に、ミニサンクチュアリはあるでしょうか。
 イギリスでは、伝統的に小ぎれいな庭園をつくることが主流をしめ、造園の枠の中で、庭を野生生物にとってできるだけ魅力的な環境にすることを心がけているようです。中には、生息地として適する自然な環境を、はじめから意図した庭づくりをして、野生の生きものを招く熱心なミニサンクチュアリ・ファンもいます。しかし、野生生物がすみつく環境はどうも見た目がよくないからという人間側の理由で、主流に遅れをとっているようです。
 アメリカではミシガン州、晩秋からのスーパーマーケットには、野鳥のえさコーナーが特設されます。これは、裏庭で野鳥に食物を与えるバックヤード・バードウォッチャーが圧倒的に多いことを示すひとつの例です。フィーダーを置いて窓辺に野鳥を招くことが生活の一コマとなっているだけに、人と野鳥の距離がきわめて近く、時には目と鼻の先までやってきます。手にもった餌をついばんでいく情景もめずらしくありません。こうした現実を背景として、裏庭で、野生の友がすみよい環境を積極的につくっていこうと運動をはじめたのが、アメリカのナショナル・ワイルドライフ連盟で、一九七三年のことです。野生生物が必要とする採餌場、水場、隠れ場所、繁殖できる適地を、庭や窓辺につくろうというもの。三年五年十年と時間のかかる話ですが、やってみる手応えは十二分にあります。ナショナル・ワイルドライフ連盟の運動は、日本で生まれたミニサンクチュアリの原点といえるでしょう。

             (窓をあけたらキミがいる: ミニサンクチュアリ入門 p.124-125)
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