【バード・サンクチュアリの思想: 3.庭に小鳥を呼ぶ (3/5)】 ある正月、NHKの特別番組で地球の夜の一部を切り取った部分を画面で見せながら、これはどこを映したものでしょう、と問いかけていました。黒い画面には、明るい光点がそれはたくさん輝いています。どこかの都会を宇宙からの映像で見せているのだと思っていたところ、実はアフリカ大陸の中央部の映像で、なんと焼畑による光が光点として見えていたのです。またその映像は、その光点が世界各地に広がっていくようすを映しだしていました。 しかし、問題はそれほど単純ではないという。長い経験の中で、問題は<焼畑などの自然破壊の動き 対 反対運動・植林活動などの自然保護活動>という単純な構図ではないことを、藤本氏は痛感された。マダガスカルでは自然を保護するための熱心なボランティア活動が行われている。だが自然を保護するためになされる外来種の植林は、元来の植物を駆逐し、結局は生態系の破壊につながりかねない。タイには、豊かな自然や野生動物を保護するための国立公園がある。しかしそこでは、密伐が横行している。宮古島の海は、人間や人間社会の様々な要因が交じり合い、汚染の危機にさらされている ―― などなど、「いくら自然保護を叫んでみても、そこにはまず人々の生活があり、その国や地域の実情がある」、しかもその地域の本来の生態系にそぐわない植林や管理が、かえって自然を損なうことにつながりかねない、と藤本氏は訴える。自然を守りたいと思っていても、その特定地域の自然や周辺の環境、人々の生活を正確に観察し、正しい知識をもってあたらなければ、うまくは行かないどころか、かえってマイナスのことをしてしまいかねない。 注5 人が一人、やっと洗濯物が干せるだけの狭く小さいベランダ付きでわたしは暮らしています。それでも、ヒヨドリやスズメ、ハクセキレイ、時にシジュウカラが立ち寄ってくれるおかげで、いつの間にかプランターに、蜜柑の木をはじめとする樹の芽が育ち、春にはネジバナ、夏にはオシロイバナが咲いてくれるようになりました。 |