* my bird sanctuaryにいらっしゃいませんか *

【バード・サンクチュアリの思想: 3.庭に小鳥を呼ぶ (4/5)】

  一方で、自然保護の立場から槍玉にあげられることの多い、リゾートのゴルフ場、スキー場も、新しい目を向け、そこに息づく自然にちょっと心を傾けてみると、意外な面が見えてくることがあるという。藤本氏は次のような体験を挙げる。

 かつて、北海道から九州までのゴルフ場をみる機会がありました。意外に鳥が多かったので、巣箱をかけたり、既存の池をすこし改良してやるだけで、たくさんの生き物に利用させることができるだろうと考えたのを覚えています。現在、そのゴルフ場はわたしたちの方法に賛同した方々によって、鳥のくるゴルフ場に変わりつつあります。
                              (『身近な自然のつくり方』 p.165)

ゴルフ場にも、スキー場のリフト乗り場にも、多様な鳥が生息している。まずそのことに気づき、リゾート開発者を敵に回すのではなく、人間のリゾートとその地域の自然とができるだけ豊かに織り成すような土地づくりのあり方を考えてみることも出来る。

 こうした例からわかることは、まずは自分たちの環境を知る必要があるということです。アフリカの例などは顕著なもので、せっかく自然を復興させようとするのなら、現地の生態系や、植物の適性など、ほんとうに身近な自然のあるがままの姿をまず知ることが必要です。また、ゴルフ場、スキー場の例に見られるように、ちょっと目のつけどころを変えれば、工夫一つでいくらでも改善の余地が転がっています。
                              (『身近な自然のつくり方』 p.166)

身近な自然、野鳥や野生動物、植物に目を留め、耳を澄ます。彼らをよく観察し、彼らの暮らし振りについて、相互のかかわりについて、学べば学ぶほど、彼らが生きていくためにはどのような環境が必要なのか、彼らと共生していくためにはどんな工夫が出来るのか、が分かるようになるのではないか。そう、身近な場所、普段は目もくれず、通り過ぎてしまうかもしれぬ場所で ―― 「聞こえない声を聴く」こと ―― がなければ、命に気づき命を守ることはできない。それに、生きものたちのつながりに目を向けるときに、"自分(人間という生きもの)もつながっている"ことに気づかなければ、彼らや水・土・空気などの環境を守ることの意味を心から理解することもないのかもしれない。

宇宙飛行士が地球に戻ると、環境にかかわる発言をしたり、自然保護の活動や自然にかかわる行動を起こしはじめることがよくあります。 限られた地球に生かされている生き物の一員として、ヒトはいますぐにできることから実行に移さないといけないのではないでしょうか。そのことが、私たち自身が自然の一部であることを再認識させ、自然を生きることにつながるのだと思います。
                              (『身近な自然のつくり方』 p.167)

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