【バード・サンクチュアリの思想: 3.庭に小鳥を呼ぶ (5/5)】 最後に、庭や私有地、自分が管理できるスペースを全く持たない人々でも可能で、また、自分のミニサンクチュアリを持っていても、それを越えて、緑や自然を広げていくことが可能であることも、一言ふれておきたい。ここでは、サンクチュアリについて学んでいるので、言及するだけにとどめるが、自分の生活圏から近いところにあるバードサンクチュアリが、市民のために講座・観察会・ボランティア育成などの活動を展開している可能性がある。また、現在、雑木林や里山をつくったり、再生したり、維持管理していこうとする人々、また様々なボランティア活動やNPO、NGOの活動が多くある(注6)。これについては、講演会や説明会、活動を紹介する資料がたくさんある(注7)。また、各地のビオトープづくりの活動や、植樹祭などに参加するだけでも、"緑の親指"(注8)ではないが、指やこころを緑に染めることはできる。そして、身近なところで催される自然観察会に参加したり、生活の合間に通りすがりの道や木立の自然に目を留めるだけでも、自然や鳥について新鮮な気づきが得られる。そうした気づきが、後に何か大切な情報となったり、環境を守ろうとする心となったりするかもしれない。これは、一番手っ取り早いことで、とても大切なことなのではないだろうか ―― 生きものの声を聴いて、そこにサンクチュアリの'かけら'のきらめきを見ることが。 |