* my bird sanctuaryにいらっしゃいませんか *

【サンクチュアリを探して(1/7)】

  現在わたしは、サンクチュアリを創っていけるような土地を探しています。ここ6年ほど、数多くの土地物件を見て、いろいろな方と関わり、幾つかの候補地を本気で検討しました。最初は、不動産探しがどんなものかも皆目分からず、また営利目的の不動産屋さんのほとんどの方に"個人のサンクチュアリを創りたい""できればそこで棲み込みの管理ができ、レン・ハワードさんのように小鳥と対話したい"という思いはうまく伝わりませんでした。それで、見限られたりその時々の物件をつかまされそうになったり ・・・ ようやくうまく行きそうな寸前になって、大きな失敗、手ひどい挫折もしました。
  できるだけ多くの苗木を植えたり樹木の手入れをしたりして、その土地に本来あった森が戻るようにしたい。そして、鳥たちが安心して暮らせるような環境、自然も人間も他の命たちも調和の下に、生き生きと輝いていけるような空間を創りたい。でも、予算は限られており、職場から通えて、なおかつ日常的に無理のない管理ができる −− 少しでも鳥たちとよい関係のもてるような地域でなければ。野生動物がハンターたちにやられないためには、できれば鳥獣保護区・禁猟区・国や県の定めた自然保護規定があり、地元の人々にも守られていくようなところが良くて ・・・ と挙げていくと、どうしたらこのような土地が見つかるのか見当もつかなくなります(注9)。そうして探した物件は、このような望みの一部を満たすとしても、全てどころか幾つかを満たすことは難しく、うまくいきませんでした。
 そんな経験が続いた今は、とても苦しい。疲労感もあります。でも、ここまで来て、見えてきたことも、感謝したい出来事や人々もいます。沢山の恩恵や学びがありました。サンクチュアリを創れる土地を探すと同時に、'本当のサンクチュアリとはどこにあるのか'を探しているのだと感じます。

注9 小鳥たちの信頼を得られれば、小鳥たちは様々な声やメッセージを聴かせてくれるだろうと信じています。小鳥たちは、人間を恐れ、たちどころに逃げるという習性を持っていますね? これは、人間が彼らを殺したり捉えたりした長い歴史の帰結です。bird sanctuaryでは、鳥と人とのこうした歴史は全く変わります。小鳥たちに人間を信じてもらいたいのです。しかし、このようにすることは大きな矛盾を抱えています。サンクチュアリの外では、まだ多くの人々が小鳥に優しくないからです。従って、サンクチュアリで人を信じるようになった鳥たちが、外に出てひどい目に遭うということは絶対に避けなければなりません。"鳥も人を見分けており、人なら誰でも近寄るほどに知能は低くない"という面もありますが、絶対に可哀想な目には遭わせたくはありません。やさしい人々が隣近所に住み続けてくださればよいですが、そうでない限り、小鳥たちが充分隠れられるほど広い土地を確保するか、周辺に人の入らぬ豊かな自然があり、そこがずっと開発の波にさらされないという保証がなければ、サンクチュアリとするのに心配です ―― 人と小鳥が仲良く暮らせる世界がやってくるまでは。

  人と小鳥が仲良く暮らせる世界を実現することは出来ます。上に書いたように、鳥たちが人を恐れるのは、人のしたことの帰結です。人のしてきたことによって、人以外の生きものは、人間を恐れるようになりました。しかし、元々そうであったとは限りません。鳥に関して言えば、無人島などに生息する鳥が、初めて訪れた人間を全く恐れないこともあることや、文化が異なれば人の鳥への接し方は異なり、鳥の恐れ方もまた異なることから、明らかです。静かに、穏やかに、時間をかけて、生きものたちと接すれば、最初は人間を恐れていた生きものたちも、次第に安らいで、くつろいだ振る舞いを見せてくれることは、個人的にもたくさん経験してきました。

  人と、鳥は、晴れやかな友だちに、絶対になれる!

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